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「電気・電子部品の壊れ方」-講義動画4時間16分+テキスト冊子-
オンラインで視聴可能な4時間16分の動画講義と、講義の内容をより詳細にまとめたテキスト冊子のセットをご提供します。講義で使用しているスライドはPDFデータもお送りいたします。
【概要】
本商品では、電気・電子部品がどのように壊れるのか、そのメカニズムを深く掘り下げて解説します。電気製品に欠かせない部品の理解を深めることで、予防や対応策を講じるための知識を得ることができます。電気・電子部品に関わる全ての方々にとって、役立つ内容が詰まっています。
電源コード、電流ヒューズ、電源スイッチ、バリスタ、フイルムコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、積層セラミックコンデンサ、ダイオード、プリント基板、コネクタ、抵抗、モータ、サーモスタット等
【視聴方法】
ご購入後、登録されたメールアドレスに動画視聴ページのURLをお送りいたしますので、そちらからアクセスしてご覧いただけます。
【視聴期間】
動画視聴ページのURL送付から90日間、何度でもご視聴いただけます。
【テキスト冊子について】
テキスト冊子は、ご注文時にご記入いただいたご住所に発送いたします。
※レターパックプラス送料600円が別途必要です。
【講座の内容】
4.1 電気・電子部品の壊れ方「 はじめに」
4.2 コンセント、電源コードセット
4.3 機器用インレット(リセクタプル)
4.4 接続部(はんだ、カシメ、ネジ)
4.5 電源スイッチ
4.6 フイルムコンデンサ
4.7 アルミ電解コンデンサ
4.8 タンタルコンデンサ
4.9 積層セラミックコンデンサ
4.10 トランス・コイル
4.11 SSR・トライアック・フォトカプラ
4.12 バリスタ
なぜ部品は壊れるのか?設計者・技術者の皆さん、その「?」を解決しませんか。
長年、電気・電子部品の故障解析や信頼性評価に携わってきましたが、その中で常に感じていたのは、「なぜ、この部品は壊れてしまったのだろう?」という根本的な問いの重要性です。
市場での製品トラブル、原因不明の故障、繰り返される対策…。
こうした課題に直面し、頭を悩ませている設計者や技術者の方も多いのではないでしょうか。実は、その答えの多くは、部品一つひとつの「壊れ方」を深く理解することにある、と私は考えています。
この講座、そしてこのテキストが、皆さんの日々の業務における課題解決の、そしてより信頼性の高い製品開発への大きなヒントになることを願っています。
電気製品には様々な電気・電子部品が使用されています。電源コード、電流ヒューズ、電源スイッチ、バリスタ、フイルムコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、積層セラミックコンデンサ、ダイオード、プリント基板、コネクタ、抵抗、モータ、サーモスタット等です。
これらの電気・電子部品の壊れるメカニズムとその対策を本講座で説明いたします。
講座とテキストの内容
講座の内容を詳しく記載したテキスト冊子をお送りいたします。図や写真を取り入れた内容となっております。
以下が、テキスト冊子の一部のご紹介と講座の内容です。
4.1 「壊れ方」の全体説明
第4.1章では、個々の部品の具体的な「壊れ方」を解説する前に、まずこの故障メカニズムの全体像を皆さんと共有したいと思います。
私がこの講座の冒頭で全体像を示すのには理由があります。この「地図」を頭に入れておくことで、これから学ぶ各部品(コンセント、コンデンサ、スイッチ、トランスなど)の故障事例が、点ではなく線で繋がり、より深く理解できるようになるからです。
この章で全体像を掴むことは、皆さんが今後、より本質的な原因究明と的確な対策立案を行うための、いわば「羅針盤」を手に入れることに他なりません。
4.2 電源コードセット
ホコリと湿気が引き起こすトラッキングの恐怖、束ねたコードがなぜ危険なのか、繰り返しの曲げ伸ばしで何が起こるのか、といった基本的ながら非常に重要なポイントを解説します。
1. 電源入力部の部品の名称
2. NITE報告事故事例
3. 電源コードセットの壊れ方
4. お客さんの使い方で毎年のように事故
5. 電源コードの構造不具合による事故事例
6. 電源コードの折り曲げ試験(電安法 別表第八 1共通の事項 サ)
別表第八(2)構造編の遵守
附則1-1 別表第八(2)構造 ル 貫通孔:保護ブッシング
附則1-2 別表第八(2)構造 ヲ 器体の自重の値の3倍の値の張力試験
附則2 配線用差込接続器(コンセント)
附則3 家電製品、OA機器等に使用する差込みプラグ、コードコネクタボディ、インレット
附則4 コンセント、差込みプラグ、コードコネクタボディ、インレットの公的規格
4.3 機器用インレット(リセプタクル)
部品同士を繋ぐこれらの部分は、熱膨張の違い、圧着不良、ネジの緩みなど、多くの故障要因を抱えています。それぞれのメカニズムと対策の考え方をお話しします。
1. 機器用インレット(リセプタクル)
2. 技術基準改正 別表第八【共通事項】電源コネクタの回路基板への取付け方法の変更
3. ACインレットへの外的ストレスを軽減するように電線を介した構造に改善
4. 痛恨の至り
5. 改良されたインレット
6. 教訓
4.4 接続部(はんだ、カシメ、ネジ)
頻繁な抜き差しが引き起こすはんだクラック。実は、目に見えない「不静定反力」という力が関わっていることをご存知でしょうか。
1. はんだ付け
2. 平型接続端子(商品名:ファストン端子)
3. ネジ締結部(ビットインサート、バーリング)
4. バーリング加工
4.5 電源スイッチ
日常的に操作するスイッチも、シリコーンガスによる接触不良や、突入電流による接点劣化といった特有の壊れ方があります。
1. 電源スイッチの種類
2. 電源スイッチの構造と劣化
3. 電源スイッチの故障
4. 電源スイッチの接触抵抗
5. 電源スイッチの接点材料
6. 電源スイッチの安全規格
7. 電源スイッチを電気製品に使用する場合のまとめ
附則1 シリコン(Silicon)とシリコーン(Silicone)
4.6~ 4.9 コンデンサ
これらは種類も多く、それぞれに特徴的な故障モードがあります。絶縁破壊、液漏れ、ショート、発火…なぜそうなるのか、どうすれば防げるのか、私の経験も交えて詳しく解説します。特にアルミ電解コンデンサの「発火しない設計思想」は、私が長年取り組んできたテーマの一つです。
1. フィルムコンデンサの使用例
2. フィルムコンデンサの事故
3. フィルムコンデンサの構造
4. フィルムコンデンサの絶縁性能
5. フィルムコンデンサの故障(壊れ方)
6. フィルムコンデンサの発火メカニズム
7. フィルムコンデンサの発火防止の考え方
8. 極めて発火しにくいフィルムコンデンサの実用化
演習: Xコンデンサのショート電流でヒューズは溶断するか?
1. アルミ電解コンデンサの事故
2. アルミ電解コンデンサの原理図と構造
3. アルミ電解コンデンサの製造方法
4. アルミ電解コンデンサの絶縁構造
5. スイッチング電源の一次側平滑用アルミ電解コンデンサに過電圧が印加される背景
6. アルミ電解コンデンサに過電圧を加えたときにどうなるか
7. アルミ電解コンデンサの発火メカニズム
8. 燃えないアルミ電解コンデンサの発想の原点
9. ショート(発火)しないアルミ電解コンデンサの実用化
10. 思い出深い仕事 発火しないアルミ電解コンデンサ
1. タンタルコンデンサの打ち合わせ時、大手家電メーカさんの話
2. タンタルコンデンサの構造と分類
3. セルフヒーリング
4. タンタルコンデンサの逆接続による信頼性への影響
5. タンタルコンデンサの故障モード
6. タンタルコンデンサの故障ステージ
7. タンタルコンデンサの逆付け、ディレーティング不足の事例
8. タンタルコンデンサの短絡・発火メカニズム
9. マンガン系のタンタルコンデンサの焼損を防ぐ使い方
10. 導電性高分子タンタルコンデンサ
1. 積層セラミックコンデンサの種類
2. 表面実装型の積層セラミックコンデンサ
3. 製造工程
4. 積層セラミックコンデンサの故障要因
5. 積層セラミックコンデンサによるプリント基板の発火メカニズム
6. 積層セラミックコンデンサの発火対策
4.10 トランス、コイル
単純な構造に見えて、巻き線の断線や絶縁劣化、レアショートといったトラブルが後を絶ちません。
1. トランスとコイル
2. 強化絶縁が要求される電子部品
3. 5種類の絶縁機能の種類
4. 絶縁トランスの巻き線
5. 私の安全規格認証の実務から得た知見
6. 絶縁距離
7. 高周波トランスの一次側と二次側の絶縁性能のポイント
8. 分割ボビン
9. 巻き線のレアショート
4.11 SSR、トライアック、フォトカプラ
半導体デバイスは便利ですが、突入電流による破損など、使い方を誤ると大きな問題に繋がります。
1. SSR(Solid State Relay)はモータやヒータを制御する複合の電子部品
2. SSRの機能と構造
3. ゼロクロス回路
4. トライアックの材料、構造から見たウィークポイント
5. トライアックの構造
6. トライアックは故障(断線、短絡)を前提に回路設計する
7. ヒータ連続点灯の故障
8. ヒータの突入電流によるトライアックの破損部位、メカニズム、電気製品への影響
9. フォトカプラ
4.12 バリスタ
過電圧から回路を守るバリスタも、その限界を超えると破損し、時には発火することも。そのメカニズムと、私が開発に関わった「難燃バリスタ」についてもお話しします。
1. バリスタとはバリアブルレジスタのこと
2. 材料、構造から見たウィークポイント
3. 電流ヒューズでバリスタの電子機器の発火を防げるか?
4. バリスタの燃え方
5. バリスタの製造から見たウィークポイント
6. 一般的なバリスタの選定ルール
7. バリスタの発火メカニズム
8. 難燃バリスタの設計思想
附則1 電流ヒューズとバリスタの電気回路
この講座は、こんな技術者の皆さんにお届けしたいです
💡 「なぜ?」を追求したい設計・開発者の方
部品の故障メカニズムを理解することで、より本質的な対策や未然防止が可能になります。
💡 品質保証・信頼性評価のプロフェッショナルの方
多角的な視点からの故障要因分析は、評価基準の策定やリスク管理に役立つはずです。
💡 製造現場で日々奮闘されている技術者の方
製造工程に潜む問題点や、部品の取り扱いにおける注意点など、品質向上のヒントが見つかるかもしれません。
💡 故障解析に時間を費やしている方
体系的な知識は、解析時間の短縮と的確な原因究明に繋がります。
最後に
部品の「壊れ方」を知ることは、いわば製品の「弱点」を知ること。そして、その弱点を克服するための知恵を身につけることです。この講座とテキストが、皆さんの技術者としての引き出しを増やし、日々の業務、そして日本のものづくり全体の信頼性向上に少しでも貢献できれば、これ以上の喜びはありません。
ぜひ、この機会に「電気・電子部品の壊れ方」の世界に触れてみてください。きっと、新たな発見と学びがあるはずです。